ある日、少女は悪魔に出会った。  ある日、悪魔は少女に出会った。  少女の父もいたけれど。  だけど、彼は死んでいた。  悪魔はサメのように笑って、少女に向かってこう言うのだ。  ――また会おう。その時、キミを殺してあげるから。  TOKYO N◎VA The Detonation  『マイ・フェア・レディ』  かくて、運命の扉は開かれた。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ シーンプレイヤー/犬飼  登場判定/自動登場 Opening_Scene01  【シーンタロット:タタラ / レッドエリア:居酒屋“天将”】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ RL:接客全てが生身(ウェット)で行われる、というウリを掲げるウェットシティ。   その一角に門を構える居酒屋“天将”は、多少値は張るが飯も酒も旨いと評判の店だ。   犬飼が“お得意先”である藤咲竜二からの連絡を受けてこの店に向かってみれば、通された座敷では藤咲竜二が一人の少女と共に待っていた。   黒い長髪をお下げにして流した、眼帯の少女である。   美少女には違いないのだが、どこか物静か……というより、陰鬱な印象を見る者に与える、そんな少女だった。   年のころは10歳か、あるいはそれを少し上回る程度だろうか? 竜二:「……来たか。まぁ、座ってくれ」 犬飼:「久しぶりだな。変わらぬようでなによりだ」   一瞬だけ視線を少女へと向けるが、余計な詮索はせずに、そのまま藤咲の対面へと座る。   腰に携えていた斬魔刀を隣へ置き、あぐらをかいて盃に手を伸ばした。   「仕事の依頼・・・だろうな。オレを呼び出すのであれば」 RL:犬飼が盃に手を伸ばすことを分かっていたように、竜二は犬飼の盃に酒を注ぐ。   まずは、駆け付け一杯。   いつもの恒例行事だ。 竜二「ああ、当然だ。だが……」   そこで竜二は一度言葉を切り、犬飼の目を正面から見据える。 竜二「“藤咲組の藤咲竜二”ではなく、“ただの藤咲竜二”としての、個人的な依頼だ」 犬飼:盃を上げた後、一気に飲み干す。今度は、こちらが藤咲の盃に酒を注いだ。 「ただの――か。藤咲組の後ろ盾がない依頼とは・・・」   装着していた視覚モジュールを外し、生身の目で藤咲の目を見返す。 「どうやらかなりの厄介事のようじゃないか。・・・話を聞こう」 RL:返す竜二も、盃を一気に煽る。   竜二の隣で座る少女は、その光景に対して不思議な物を見るような目を向けていた。 竜二「――――先日、一人の男が殺された」   苦虫を噛み潰したような顔。   少女はその言葉を聞いた瞬間、肩をビクリと震わせる。 竜二「……俺の、友人だった。歳は一回り上だったが、いい友人だった」 竜二「加害者は、今度はその男の一人娘を狙っている。ご丁寧に犯行メッセージまで付けてな」   俯く少女。その表情は、前髪に隠れて伺えない。 竜二「彼女は命を狙われてる。だが俺は動けない。人情で簡単に動ける立場じゃなくなっちまった」 竜二「報酬は前金でゴールドを出す。コトが済めば、さらに出そう。だから――――」   ――――頼む、彼女を護ってやってほしい。任侠に生きる男は、そう言って頭を下げた。 犬飼:「・・・なるほどな」   組を背負っている以上、私情で誰かを守るわけには行かない、ということか。   命を賭けてる下の者に示しがつかないし、それが原因で組に傷がつくかもしれない。 「頭を上げてくれ。アンタのそれは、そう安いもんじゃあ無いハズだ」 「オレは《カブト》だ。アンタはただ、オレに護れと言うだけで良い」   依頼は、受けるさ――そう言って、酒を煽った。 RL:竜二「犬飼…………恩に着る」   顔を上げ、薄く微笑む竜二。   今度は頭を下げる代わりに、空になった盃に酒を注ぐことで感謝を示す。   少女はやはり、その光景を不思議そうに見つめていた――                               ―――scene end ※業務連絡 ・情報項目【相良フミの悲劇】がポップアップ ・犬飼は前金として報酬点5点を入手 ・次シーン以降、特殊な事情が無い限りはゲストキャラである相良フミが同行します ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ シーンプレイヤー/犬飼  登場判定/自動登場 Research_Scene01  【シーンタロット:アラシ(逆位置) / イエロー:アンモニア・アベニュー】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ RL:――依頼を受けた、翌日。   竜二の話によれば、本日のどこかで殺人鬼がこの少女――相良フミを、殺しに来るらしい。   とすれば、どこか安全なところに避難するのが最善であるはずなのだが………… フミ「N◎VAは広い……一体どこに……?」   ……なぜか、護衛対象は犬飼を連れてアンモニア・アベニューを歩き回っていた。   物静かな印象を持つ彼女が、外出にかけては断固として譲らないのだ。   どうやら、何かを探しているようなのだが…………? 犬飼:「・・・・・・嬢ちゃん」   フミの後ろにピッタリとくっつきながら、周囲を警戒している。   アンモニア・アベニュー・・・決して護衛向きの土地ではない。   張り巡らせなければならない神経の量が、違う。 「いい加減、話してくれても良いだろう? ・・・危険を犯してまで、何を探しているんだ?  藤咲の依頼だ。何があろうと、オレはアンタを護る。・・・とはいえ、あまりに無茶だ」 RL:フミ「う、それは…………その…………」   少女が立ち止まる。   視線が泳ぐ。   言っていいのか。いや言うべきだが、どうしたものか……そんな仕草だ。 フミ「……あなたは…………」   少女が振り向いた。   その表情は、不安。あるいは、疑念。 フミ「……あなたは、戦う人ですよね」 フミ「殺したり、殺されたりする人ですよね」   どこか怯えるような、憤るような、そんな気配を瞳に秘めて。 フミ「…………私は、そんな人を信じることはできません。そういう人は、死んだり、死なせたりしますから」 フミ「だから……話せません。すみません」 ※詳しい情報は、【相良フミの悲劇】をリサーチする必要があります  通常通り社会やコネを使うほか、<交渉>でフミ本人に聞く……という手段も取れます。 犬飼:「・・・・・・オレは」   口を開いて、何かを言おうとして、止める。   自分のような不器用な男が、言葉で何かを伝えようというのは――無謀だ。 「分かった。だが、これだけは信じてくれ。  今、オレが戦うのは、アンタを守るためだ」   そう言って、装着している視覚モジュールに手を伸ばす・・・。   【相良フミの悲劇】をリサーチしてみよう。 RL:フミ「…………守る、ですか」  【相良フミの悲劇】  <社会:ストリート><コネ:相良フミ><交渉>その他適切な技能  6:????????????????  10:??????????????? 1 3:???????????????  15:???????????????   では、判定どうぞ 犬飼:社会:ストリートで判定。理性7+SJ=17 RL:やるねぇ。では、情報を開示します。  【相良フミの悲劇】  <社会:ストリート><コネ:相良フミ><交渉>その他適切な技能  6:数日前、相良フミの父親はある殺人鬼によって殺害されている。  10:その際、フミは左目を失ったようだが……  13:さらに言えば、フミが外を出歩きたがる原因もこの事件にあるようだ    →[イベントトリガー・相良フミの回想]を取得  15:殺人鬼の名は、ケニー・ヘンドリック。    →【ケニー・ヘンドリック】 犬飼:視覚モジュールに高速で文字が流れる。   ストリートで情報屋をしている人間から送られてきた、今回の仕事に関するデータ・・・。 (・・・普通、殺人鬼に襲われたというのなら、外に出るのは嫌がるはずだ。  それを、この子は何故わざわざ外で探し物のような真似を・・・?) 「あの日、キミは何を見た・・・?」 RL:ピクリ、と少女の眉が動く。 フミ「…………それは……いえ」 フミ「……わかりました。話しましょう。隠していても、仕方ないことですし」   その様子なら、調べようと思えば調べられない訳ではないのだろう。   少女はそう判断したのか、観念して口を開く。   失った左目を、手で押さえながら――                               ―――scene end ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ シーンプレイヤー/RL  登場判定/登場不可 Research_Scene02  【シーンタロット:レッガー(逆位置) / イエローエリア:路地裏】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  相良フミは、ごく普通の少女であった。  SSSの隊員である優しい父によって育てられ、良く愛されて育った。  決して非行に走るようなこともなく、あまり主張するタイプではないが、その分聡明な子。  父子家庭とはいえそのことに不満を言うこともなく、大好きな父と暮らすことを幸福に思っていた。  その日、フミは珍しく休みをとった父との休日を満喫していた。  散々遊んで、すっかり日も傾いたころ。  そろそろ帰ろうと言って……なぜ、あのとき人気のいない路地裏を帰り道に選んでしまったのだろう。  イエローエリアなんて、十分危険な区域だ。  父がSSSの隊員とはいえ、絶対に安全とは言い切れないのに。  ――――道の角を曲がった瞬間、父の頭が爆ぜた。  理解できなかった。  何が起きたのかわからなかった。  とりあえずわかったのは、父であったものの懐を漁る男性の姿だけだ。  しばらく懐をまさぐって何か小包のようなものを奪って、開き――この時初めて、男性はフミに気付いたようだった。  彼はしばし眉を顰め、しかし次の瞬間にはサメのように笑った。 「やあ、ご機嫌いかが?」  ――ああ、あれは、確かに悪魔だったのだろう。  そうでなければ、あんな笑顔は作れまい。そう思わせる、狂気に満ちた笑顔だった。 「あ、あ……」 「んー、親子連れかぁ! まいったねェ、僕は子供が大好きだから、見逃しちゃおけないや」  わからない。わからない。わからない。  何もかもが分からなくて、ただ父であったものに縋る。  ……ふと、何か硬い物に触れた。 「うーん、ただ殺しちゃうのもつまらないけど、どうしよっかなぁ……」  男性が何か言っている。  よく分からない何かを言っている。 「あ、ああああああああ!!」  それがどうしようもなく怖くて、それを止めたくて、私はとっさにその“硬い物”を父の服の中から抜き出した。  銃声。  果たして、銃弾は男性の脇腹をかすめるにとどまった。  当たり前だ。至近距離とはいえ、少女に銃は扱えまい。  だがそれでも男性の意識を塗り替えるのには十分だったようで――男性は、笑い出した。 「――あはっ、あははははは! いいねぇ、いいねぇ、僕を撃っちゃう!? 面白いねえキミ!  でも、そういう玩具は危ないからしまっときな!」 「あっ……」  腕を蹴られ、銃が路地を滑って行く。  咄嗟に手を伸ばすが、次の瞬間視界に映ったのは上半身を大きく傾けて目の高さを合わせてきた男性だ。 「さて、と。いいねぇ。僕は君が気に入っちゃったよ。だから、ちょっとしたゲームをやろうと思う」  左手で腕を掴まれ、逃げられなくなる。  逆の手に持っているのは、注射器?  それがフミの二の腕の辺りに突きつけられ、何か薬物を注入された。 「な、にを……」 「安心してって。別にヤバいクスリじゃない。ただの麻酔さ」  からかうような口笛が一つ。  確かに、体に力が入らない。 「んんー、いいねぇ。恐怖にすくむ美少女――そそるねぇ、うん」  男性の指がフミの肌をなぞる。  じっとり、愛でるように、品定めでもしているように。 「まず……僕は君を殺してあげる。ただしそれは今じゃない。もう少し先だ」  そう言って、男性は先ほど父から奪った小包をフミに見せつけるようにヒラヒラと振る。 「中にメッセージカードがあってさ。キミ、誕生日近いんだって?」 「う、……あ……」 「だからその時、キミを殺しに行こう。  でも流石に国外へ高飛び……とかされたら僕も追えない。  だからゲームだ。僕はその日、このプレゼントをN◎VAのどこかに隠そう」 「お父さんの最後の誕生日プレゼント……欲しいよね?」  うめき声が漏れる。  それを聞いて満足したのか、より一層楽しそうに男性は話を続けた。 「もちろん、警察に連絡……とかも無しだ。ま、大人を一人ぐらいなら雇ってもいいよ? そっちの方が面白そうだし。  ともかく、そうだなぁ。もし当日になって君がプレゼントを見つけられなかったら、その時はしょうがない。徹底的に壊してあげる。  あ、その映像ぐらいは残しておこうかな」  つまり、彼は私を殺しに来る。私はプレゼントを探しに行く。  私がプレゼントを見つけて、そのまま逃げ切れれば私の勝ち。そうでなければ…… 「あー、でも困ったなぁ。僕記憶力悪いんだよねー」  ……そんなもの、勝てるわけがない。  だがそもそも、こちらに断る権利なんか最初から存在しない。あちらが勝手に取り決めているのだから。  憎悪と屈辱。あまりの激情に、涙があふれて止まらない。 「そうだ! 僕が君のことを忘れないように、ちょっとした記念品を貰っておこう!」  男性はそう言うと、スッと右手をフミの顔へ伸ばす。  何を――そう思った時、彼の指がフミの左眼に触れた。  痛みは無い。麻酔が効いている。  だが、だが、この“異物が体内に入っていく感覚”は、なんだ――! 「左眼、貰っとくね?」  ずぶり。  左半分の世界が消える。  痛くはない。ただキモチワルイ。吐き気すら催す異物感。 ――――ケニー・ヘンドリックが神業《死の舞踏(ダンス・マカブル)》を使用。対象は相良フミ。指定ダメージ14番・眼部損傷。 「ああっ、うう、ああああ、やめ、て……!」 「んー、もう遅いかなー?」  ふと、異物感が消える。代わりに残ったのは、あるべき場所にあるべき物がない空虚感。  残った右眼で男性を見れば、血に塗れた球状のナニカを愛おしそうに舐めている。 「うん、いい……綺麗な目だ。大事にとっとくね」  ――もう、無理だ。  意識を保っていられない。血を流したせいもあるのだろうか?  意識が急速に遠のいて行く。  ブラックアウトしていく視界のなかで、男性の声だけがいやに明瞭に響き渡る。 「そうそう、僕の名前はケニー・ヘンドリック――キミを殺す男さ」  暗転。                               ―――scene end ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ シーンプレイヤー/犬飼  登場判定/自動登場 Research_Scene03  【シーンタロット:ヒルコ(逆位置) / イエロー:アンモニア・アベニュー】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ RL:フミ「―――以上が、あの時あった出来事の全てです」   フミは語った。   失った左眼を抑え、表情を苦悶に染めながら。   もはや涙も枯れたというのか、一筋の涙も流さずに。 フミ「……殺す人は、嫌いです。    殺される人も、嫌いです。    あなたは、どうですか」 犬飼:「オレは――」   視覚モジュールを外し、片膝をついて、フミと目線を合わせる。   気の利いたことは言えない。ただ、自分の《在り方》を語ろう。 「オレは《守る人》だ。  誰も殺されないようにする。  そして、誰も殺さないようにする。それがオレだ」 「守れというなら――守ろう。お父さんのプレゼントを。  ・・・藤咲には《秘密》でな」 RL:フミ「………信じても」   視線が揺らぐ。   視界がにじむ。   心臓の鼓動がやけにうるさい。   不安だ。怖い。期待したい。ごちゃまぜの感情が、心を覆った殻をつつく。 フミ「……信じても、いいんですね」   ダムが決壊するように。   涙が溢れて。溢れて流れ出た。   こうなってしまえば止まらない。止めることはできない。 フミ「わた、私、と、ぐすっ、お父さんの、……っ、贈り物をっ、守って、くれるんですね」   出口が一つに減ったからだろうか。   涙の量は、とても多い。 フミ「お父さんを、っ殺した、あの人から、っ、ま、守って、くれるんですね……っ」 犬飼:「ああ」   ただ、力強く頷いた。   手を伸ばして、頬に当て、右目の涙を親指で拭ってやる。 「笑ってくれ。報酬はそれでいい」 RL:フミ「っ……っ、はい!」   ギュッと目をつぶり。   次に目を開いた時、まだ満面の笑みは作れない。   だけど――安堵の笑みぐらいは、なんとか浮かべられた。                               ―――scene end ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ シーンプレイヤー/犬飼  登場判定/自動登場 Research_Scene04  【シーンタロット:カタナ / イエロー:路地裏・犯行現場】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ RL:二人は、やってきた。   路地裏に。   フミの父が死んだ場所に。   フミの眼球が抉られた場所に。   ここに何か、ヒントがあるのではないかと期待して。 フミ「…………っ」   フミが犬飼の服の裾を強くつかむ。   事件現場には、乾いた血痕が黒くしみこんでいた。 犬飼:フミの頭に手を置いて、軽く撫でてやる。   悪趣味な奴であれば、このような、心を抉るような真似を好むはずだ。   視覚モジュールを起動させ、残された痕跡を探る・・・。   【ケニー・ヘンドリック】をリサーチしよう。 RL:了解しました。  【ケニー・ヘンドリック】  <社会:ストリート>その他適切な技能  8:????????????????????  13:????????????????????  17:????????????????????  制御値:??????????????????   では、判定どうぞ 犬飼:コネ:レイで判定。 外界5+DA!21! RL:ぬぅ、Aを切られては開示するほかあるまい。   情報が開示されます。  【ケニー・ヘンドリック】  <社会:ストリート>その他適切な技能  8:最近、ストリートでも名の知れてきた殺人鬼。ターゲットに法則性は無く、無差別に殺しまわっているようだ。  13:被害者は爆弾で殴られたかのように、体のどこかを爆裂させて死亡している。しかし、爆裂の規模は安定していないようだ。  17:本日未明、それらしき人物の目撃情報が、イエローエリアの一角で確認されている。    →[ケニー・ヘンドリックの目撃箇所]のアドレスを入手  制御値(M11(10)):“死のプロデューサー”ケニー・ヘンドリック カタナ◎ 25歳 ♂ 新鋭の快楽殺人鬼 犬飼:「どうやら最近、はしゃぎまわっているらしいな。  警察と連絡をとって、痕跡から容易に結び付けられた・・・」 「目撃情報がある。そこに仕込んでいるのかもしれない」   フミに情報を告げる。 RL:フミ「! ほ、本当ですか!」   フミの表情が明るくなる。   暗中模索だったはずが、なんと正解に辿り着けそうじゃないか。   これなら、お父さんの贈り物も取り返せる――?   ――そう思った、矢先の出来事であった。 ??「や、ハロー。やぁっと来てくれたんだ。もうちょっと早く来てくれると思ったんどなー」   路地の角から、やけに明るい調子の男が現れる。   フミの顔が引きつり、体が硬直した。   こいつが、こいつが――――! ??「そっちのお兄さんは初めまして、だね。フミちゃんに雇われた探偵さん……いや、用心棒かな?」 ケニー「僕はケニー。ケニー・ヘンドリック。以後、お見知りおきを……」   優雅に一礼。   一人の少女を絶望の底に叩き落とした殺人鬼が、のうのうと現れたのだ! 犬飼:「ありきたりな台詞だが――お前に以後は無い」   コートの内側に閉まっていた斬魔刀の柄に、手を添える。 「お前を警察に送り込んだ後で、取り返させて貰うぞ・・・!」 RL:フミ「犬飼さん……!」 ケニー「あははっ、あなたに僕が倒せるかな? ここで味見してみるのも、面白そうだ!」   心配そうな声を出し、しかし自分にできることは何もないと理解して後退するフミ。   高らかに突き上げた右腕の袖をまくり、肩を大きく回すケニー。   双方が出会えば、刃を交えるのはもはや必然。   戦闘、開始――――!! ―――Now Loading……――― ――――Complete/これよりカット進行を開始します [Set Up!] RL:セットアップフェイズ。何か宣言のあるキャラクターは宣言を 犬飼:セットアップはありません。 RL:了解。こちらもセットアップフェイズの宣言はありません。フェイズ以降…… RL:ではAR3のケニー・ヘンドリックの手番   [オートアクション]スリーアクション   [マイナーアクション]ブラストナックル準備   [マイナーアクション]コンバットリンク起動   [マイナーアクション]破棄   [オートアクション]ジェットブーツ使用   [メジャーアクション]<白兵4Lv><運動3Lv><居合4Lv>   【生命】5+2(コンバットリンク)+2(スペシャライズ)+4(<居合>)+H5=18   武装:ブラストナックル 移動:二段階前進 対象:犬飼 「まずは小手調べ、かなぁ!」   ケニーの足元が爆裂――ジェットブーツによる大跳躍だ!   勢いそのまま、ブラストナックルで殴りかかってくる! 犬飼:制御値受け! H14 RL:[ダメージ]殴5+S4=9   殴属性の9点ダメージ! 犬飼:防 殴:4 でダメージ5! 背部裂傷! 犬飼:ジェットブーツによる加速を乗せたナックルによる殴打を、ガードコートを纏った腕で受け止める。   その打撃力は自分の体を大きく吹き飛ばし、背後のビル壁に叩き付けた。 「ッ・・・!」   その衝撃に、顔をしかめる。コートを突き抜け、背中にダメージが入った。 「売り出し中と言うのは伊達じゃないようだな」 RL:「お褒めに与り、恐悦至極!」   腕部から硝煙を排出しながら、一礼。   続いてAR2、犬飼の手番です。 犬飼:オートアクション:<スリーアクション>   マイナーアクション:<タイプD><コンバットリンク>斬魔刀を取り出す   メジャーアクション:理性7+スペード2+居合い2+コンバットリンク2=13   <白兵>+<変移抜刀>+<居合い>+<二刀流>   居合い:斬魔刀準備   武装:斬魔刀 対象:ケニー   斬魔刀を準備して、ケニーに切りかかる! RL:ではリアクショ……ああっと今のプロットじゃ<心理>が乗らねェ!?   理性制御値9で制御値受けです! 犬飼:斬+4+C7=斬11! RL:ではこちらの防具メタルスキンの斬防御は3。3点引いて、8ダメージです。   ダメージチャート8番……[衝撃:吹き飛ばされ、[転倒]する。] ※メタルスキンの斬防御力は2なのですが、RLのうっかりで3点として扱っています。  幸いにしてどちらにせよ状況は大して変わらないのですが……あっ、すいませんすいません石を投げないで! 「お、おお!?」   斬撃をサイバーアームで受け止める……が、重い!   今度はこちらが吹き飛ばされ、地面に叩きつけられる! RL:では<二刀流>の効果により、続いて犬飼の手番です! 犬飼:メジャーアクション:理性7+スペード9+居合い2+コンバットリンク2=20   <白兵>+<変移抜刀>+<居合い>+<二刀流>   居合い:月光準備   武装:月光 対象:ケニー RL:――RLコマンド【切り札】の使用を宣言。   シーンタロットを【カブキ】に変更します。 RL:[マイナーアクション]転倒解除   [メジャーアクション]<運動3Lv><心理2Lv>   【生命】7+S3(切り札効果によりJokerに変更)=21(固定値!)   リアクション成功! 「っと、二度目は喰らえないね!」   地面をブラストナックルで叩き、反動で飛び上がる。   一気に距離を放し、犬飼の追撃を許さない。   次はAR1、ケニーの手番となります 犬飼:その前に! 《神業》、《死の舞踏(ダンスマカブル)》の使用を宣言!   対象はキハヤ。ダメージは【眼部損傷】、視界が悪化する。治療されるまで<知覚>判定に?5の修正値を受ける。 犬飼:対象はケニーです! キハヤは関係ないです! 犬飼:「ならば、三度目だ」   二度の刃は布石。ケニーはこちらが死に体だと思い、距離をとって安心したのだろうが――。   自分にとっては、三度目からこそが本命であり、距離を詰める技法を持ちえているのだ。   突撃と同時に展開されるのはアームユニット。   生身の腕よりも僅かにリーチの長いそれが、空中に放り投げた月光を掴み、刃を展開。   距離を詰めると同時に振りぬかれたレーザーの刃は、ケニーの右目部分を切り裂き、焼き焦がす! 「――これでお前の顔も覚えやすくなったな」 RL:こちらの抵抗はなし。ダメージ14番[眼部損傷]! ケニー「――――!?」   二刀流までは、予測できた。   だが三本目、アームユニットを用いた変則連撃は、たとえ予測できても回避不能――! ケニー「あ、ぐあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!!」   熱と光の刃が右眼を切り裂く。 ケニー「あああ、熱い痛い苦しい気持ち悪い熱い苦しい痛い熱い痛い熱い痛い痛い痛い痛い痛いィィィィィィ!!」   もがき苦しむ。それしかできない。 ケニー「このっ……よくもこんな、この僕にィィィィィィィ!!!!」   血はそう流れない。即座に傷口が焼却されるからだ。   だが、その分痛みは想像を絶する。   右眼を抑え、殺人鬼は憎悪を犬飼へと向ける。狂った獣のような、濃厚な憎悪と殺意。 RL:[メジャーアクション]<チェシャ猫22Lv>   【理性】2+22+SK=34 ケニー「お前はっ……許さない……絶対に許さない……ッ!!」   歯を噛み砕かんばかりの勢いで歯ぎしりし、左目からは涙すら流す。 ケニー「覚えておけ……お前は殺す、僕が殺す。できうる限り惨たらしい方法で僕がお前を殺してやるッ!!」   叫ぶと同時、ストンピング。   ジェットブーツが地面を叩き、爆裂はケニーの体を宙へ飛ばす。   そのまま建造物の上に着地し、再び跳躍。   殺人鬼は憎悪を吐き散らし、急速にこの場から去って行った…… ――戦闘対象撤退により、カット進行を終了します―― RL:ケニーが去り、再び場に静寂が戻る。   後に残るのは、犬飼とフミだけだ。 フミ「い、犬飼さん、大丈夫ですか」   後方からフミが犬飼に駆け寄ろうとして……ぺたんと、地面に座り込んでしまう。 フミ「あ、あれ……?」   ――どうやら、恐怖が臨界に達してしまったようだ。   無理もない。父親を殺した殺人鬼が目の前に現れたのだから。   今は、その恐怖を麻痺した感覚ではなく肉体が受信してしまった状況なのだろう。   見ればその体はガタガタと震え、全身に力が入らないようである。 犬飼:「大丈夫だ」   握っていた剣を収め、身を屈めた後に、フミの手を握ってやる。   恐怖と震えを解きほぐすように、強く、しっかりと。 「アレは、もう敵わない相手じゃない。  オレ達なら、きっと勝てる」 RL:フミ「犬飼、さん……」   彼の手は、冷たい。   だというのに、なぜだろうか。彼の手からは熱が伝わってくる。   その熱は手から私に伝わってきて、心を仄かに温めてくれる。   ……ほんの少しだけ、お父さんを彷彿とさせた。   それを想うととても悲しくて、泣きたくなってしまうけど。   でも、彼の不器用な“熱”はそんな私の心をほぐしてくれた。 フミ「……ありがとう」   彼となら大丈夫。   彼なら、私を守ってくれる。私の大切な物を守ってくれる。   それを想えばこそ、少女は短く、感謝の言葉を呟くのだった――――                               ――――――scene end ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ シーンプレイヤー/犬飼  登場判定/自動登場 Climax_Scene01  【シーンタロット:フェイト / イエローエリア:斑鳩共同霊園】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ RL:ケニー・ヘンドリックの目撃箇所……斑鳩共同霊園。   N◎VAの死者の多くが眠るこの場所に死者の遺産を隠したのであれば、確かにそれは悪趣味極まりない。   とは言ったものの、ここはそれなりに広大だ。   逃げ去ったケニーのこともある。さて、探すべきか待つべきか……   犬飼:「探そう。可能性だが……何らかの時限装置が仕掛けられていたらマズイ」   フミを連れて、物品を探したい。   勿論、周囲への警戒は怠らずに……。 RL:フミ「は、はい」   犬飼に縋るように、コートの裾を掴んで踏みが追従する。   悪趣味なあの殺人鬼が、どう出たものか……   警戒しつつ、捜索を開始した。  ![霊園捜索]!  <知覚><運動>その他適切な技能で判定  目標値:14 犬飼:〈知覚〉で判定。   理性:7 サイクロプス+2 S8 = 17!   サイクロプスのスキャニング機能を走らせ、周囲の地形をつぶさに把握していく。   最近、手を加えられた場所がないかどうか・・・。 RL:判定成功!   スキャニング――スキャニング――スキャニング――ヒット!   ある、あった、見つけた。   霊園の端にぽつんとたたずむ墓、あれは立体映像(ホログラム)だ!   プロジェクターか何かを用い、隠し物を覆い隠していたのだろう。   恐らくあそこに、フミの父のプレゼントがある! 犬飼:「……発見した。あそこの墓。あれは立体映像だ。  ……手の込んだ真似をする」   爆弾、或いは何らかのトラップを警戒して、慎重にその墓に足を進める。 RL:フミ「! あ、あそこに……お父さんの……」   犬飼の裾を握る手に力が入る。   ごくりと喉を鳴らし、緊張の汗が流れる。   とりあえず、トラップの気配は無い。サイクロプスでスキャンしてみれば、一目瞭然だ。   犬飼とフミが墓に近寄ると、プロジェクターの電源がオフ。中に隠れていた小箱が現れた。   血と土で少し汚れているが……それでも、父の愛が入った箱だ。 フミ「……お父、さん……」 フミ「…………犬飼さん。その、拾っても大丈夫でしょうか」 犬飼:「ああ……大丈夫だ。トラップのたぐいは見つからない」   自分が先に拾う事も考えたが……。   ここはフミに拾わせてやるべきだろう。 「ただ、注意はするんだ。何かあればすぐに手放せ」 RL:フミ「わ、わかりました」   恐る恐る、手を伸ばす。   慎重に手に取り、少し振ってみると……コロコロという音がした。   アクセサリーか何か、だろうか?   大きく息を吸って、深呼吸。手に汗がにじむ。   父の最後の贈り物。今それが、自分の下に戻ってきたのだ。   緊張の一つや二つ、しない方がどうかしている。   深呼吸の後、覚悟を決める。   高鳴る鼓動がやけにうるさい。   それでも震える指で、ゆっくり、ゆっくり、箱を開けた。   その隻眼で、贈り物を確かめる。 フミ「―――――――――――――――――――!」   中に、入っていたのは。   丸い、眼球だった。 フミ「ひっ――――」   思わず箱を取り落とす。   箱から落ちた眼球が、コロコロと霊園を転がっていく。   黒目の眼球。きっとあれは、フミの眼球だ。   なぜ――そう思った時、眼球を拾い上げる人影があった。   ……ケニーだ。ケニー・ヘンドリックだ。 ケニー「やぁ……趣向は、楽しんでいただけたかな?」   右眼に乱雑に包帯を巻いた殺人鬼が、残る左眼をギラギラを輝かせて悪魔の笑みを浮かべていた。 犬飼:「その顔面と言い、本当に悪趣味な男だな、貴様は」   刀に手を添え、フミを庇うように前に一歩踏み出す。   声音には少しばかり怒気が混ざっている。 「……喋れなくなる前に話してもらうぞ。どこへやった?」 RL:ケニー「安心してくれよ、本物はちゃんとこっちにある」   フミの眼球を愛おしそうに手の中で弄びつつ、懐の中から小箱を取り出す。   あれが、本物なのだろう。あるいは、中身だけ入れ替えたか。   その小箱をそっと近くの墓石の上に置きつつ、ケニーは嗤った。 ケニー「壊してしまうのも、楽しかったかもしれないけどね。やっぱり本人の前で壊す方がよっぽどいい!」   舞台に立つ役者のように、両手を広げて天に叫ぶ。   狂ってしまっているのか。いや、狂ってしまっているのだろう。   現に今、随分と高揚していた態度は鳴りを潜め、表情は怒気を孕んだそれに変化してしまった。 ケニー「だというのに! 君は邪魔だ!邪魔過ぎる!」 ケニー「眼を! 僕の眼を潰し! あまつさえその子の心の支えになっている!」   喚き散らすその姿は、まさしく狂人のソレだ。   あれほど愛おしそうに弄んでいたフミの眼球を投げ捨て、獣のように吠えたてる。   しっかりコーティングされていたのか、捨てられた眼球は弾みながら霊園を転がっていく。 ケニー「だから殺す、君は殺す、僕が殺す!」 ケニー「そうして初めてその子を殺せるんだ!」   フミは、恐怖のあまり声も出ないようだ。無理もない。   静かな霊園の中で、狂人の叫びだけがこだまする。 ケニー「まずは四肢をもぎ、自分の肉を食わせ、君の肉を食わせ、目の前で父の贈り物を壊し、徹底的に心を壊してから殺す!」 ケニー「そう、殺す! 殺す! 殺す殺す殺す殺す、ひははひはははははは!!!」 犬飼:「三流の役者だな。  台本思い通りに行かなければすぐに喚き散らし、自分の弱さを棚に上げて怒り出す。  狂気に身を任せるにしても――根本的に、薄っぺらだ」   刀を抜き放ち、その先をケニーを挑発するように動かす。   その声は怒りを携え、刃のように押し殺された響き。 「無様な踊りを、見せてみろ」 RL:ケニー「僕が三流!? 三流だって!?」 ケニー「だったら二流と一流を全部殺して、僕が一流だ! ひゃはははははは!!」   乱雑に袖をもぎ取り、右手のブラストナックルを展開。   ガキン、という音とともに、爆裂の腕が牙を向ける。   戦闘、開始――――! ―――Now Loading……――― ――――Complete/これよりカット進行を開始します [Set Up!] RL:各自、セットアップに何かあれば宣言。何もなければ宣言なしと宣言を。 ――event! フミ「……犬飼さん」 フミ「あいつから……お父さんを殺したあいつから、私を」 フミ「……助けて、ください――!」   相良フミが神業《ファイト!》の使用を宣言。犬飼は任意の神業の使用回数を一度増やしてください。 犬飼:セットアップは特に無し! 死の舞踏を復活させます。 RL:ではこちらも宣言は無し――戦闘距離中距離!各自プロット構築!   フェイズ以降、AR3のケニーの手番です RL:[マイナー]コンバットリンク起動   [メジャー]<白兵><運動><居合い>   【外界】6+2+2+4+DK=24   対象:犬飼 武器:ブラストナックル   ジェットブーツ使用:二段階移動 犬飼:制御値受け! 外界9 RL:ではダメージは山札から引き、C10   殴5+C10=15……なのですが、ここで<ラッキーストライク3Lv>を使用   絵札、あるいはハートならばファンブルして数字分ダメージ低下、それ以外なら数字分のダメージ増加 RL:C5、成功!   5点ダメージに追加し、殴属性の20点ダメージとなります。 ケニー「僕のブラストナックルは特別製!」 ケニー「出力にムラが出るように設計されててねェ……どれ、運試しに君は勝てるかなァ!」 犬飼:《神業》、《難攻不落(インヴァルネラブル)》を使用。ダメージを無効化! 「ギャンブルは嫌いでな。悪いがそのコールは受けられん!」   斬魔刀でブラストナックルを弾き返す! RL:ケニー「面白くないじゃない奴だな、キミはッ!」   続いてAR2、犬飼の手番です 犬飼:オートアクション:<スリーアクション>   マイナーアクション:<タイプD><コンバットリンク>   メジャーアクション:生命8+ハート7+居合い2+コンバットリンク2=19   <白兵>+<変移抜刀>+<居合い>+<二刀流>   居合い:月光準備 武装:月光 対象:ケニー RL:[Reaction!]   [マイナー]ビルドブレード準備   [メジャー]<白兵4Lv><心理2Lv>   【生命】7+2+HA=21(固定値) リアクション成功! ケニー「大人しく殺されててくれよ、なぁ!」   腰に下げていた大型のビルドブレード……既に板と形容するにふさわしいそれを手に取り、月光の一撃を弾く! RL:<二刀流>効果により、続いて犬飼の手番です 犬飼:メジャーアクション:生命8+ハートJ+居合い2+コンバットリンク2=22   <白兵>+<変移抜刀>+<居合い>+<二刀流>   居合い:月光準備 武装:月光 対象:ケニー 「二の太刀――防いでみろ」 RL:ケニー「くっ、この――――!」   ケニー・ヘンドリックが神業《チャイ》を宣言!   犬飼の攻撃を無効化します。   ジェットブーツ小規模起動、僅かなステップで、かろうじて二の太刀をかわす! RL:続いてAR1、ケニーの手番です 犬飼:《神業》、《不可知(インセンサブル)》を使用!   マイナーアクション:斬魔刀を取り出す   メジャーアクション:理性7+スペード3+居合い2+コンバットリンク2=14   <白兵>+<変移抜刀>+<居合い>   居合い:斬魔刀準備 武装:斬魔刀 対象:ケニー 「――三の太刀」   ステップで交わした先には、既に犬飼の姿があった。   アームユニットに握られた無骨な日本刀が、鈍い光を発しながら振るわれる! RL:ケニー・ヘンドリックが神業《チャイ》を使用。   《不可知(インセンサブル)》を無効化します! ケニー「まだ、まだあああああ!!」   ビルドブレードは……先ほど月光の一撃を防いだ際に衝撃で弾かれた。   離してこそいないが、即座の防御には間に合わない。   ジェットブーツも同様、次の使用にはインターバルが必要。   幸い、次は実体のある斬魔刀。ならば、今度はブラストナックルで刀身を弾く! 犬飼:《神業》、《死の舞踏(ダンスマカブル)》を使用。対象はケニー! 「――死の太刀」   スッ――と、音もなく、ケニーの首筋に最後の斬魔刀を当てる。 「まだ手は残っているか? 無いのなら――」   ダメージは18。脳しんとう。意識が飛ばされ、[気絶]する。 RL:ケニー「――――――――――――――『ま』」   まだだ、と言おうとしたのだろうか。   次の瞬間ケニーは意識を落とし、その場に倒れた―――― ――戦闘対象がカット進行より離脱したため、カット進行を終了します―― 犬飼:「殺さんよ。お前みたいなのは、死んだ後も地獄で芸術を語りそうだからな」   生身の手の中で月光を回転させ、コートの袖に収納。   二本の斬魔刀も、アームユニットが的確に鞘に収めた。 RL:フミ「犬飼さん!」   犬飼が戦闘態勢を解くと同時に、腰のあたりに軽い衝撃。   どうやらフミが、後ろから駆け寄ってきたようだ。 フミ「よか、った、犬飼さん、無事で」   ――泣いている、らしい。   心配だったのだろう。怖かったのだろう。不安だったのだろう。   犬飼がよもや、あの殺人鬼にやられてしまうのではないか、と。   どれだけ犬飼が強かろうと、少女の中のトラウマが、最悪の未来をチラつかせていたのだろう。   安堵したフミは、ボロボロと涙を流している。 犬飼:「……言っただろう。守る、と」   振り返り、フミの体を抱きしめてやる。全ては終わったのだ。 「あの男は、後は法によって然るべき裁きを受けるだろう。  これまで通りの生活に戻れるんだ」   フミを、先ほどケニーが置いた墓石の上の小箱へ促す。 「今度こそ本物だ。開けてみよう」 RL:フミ「っ、はい!」   今度こそ、今度こそ、父の贈り物を取り返したのだ。   再び、鼓動が大きくなる。   またしても何か罠が仕掛けられていたら……そんなことは無いとは思うが、それでもやはり緊張する。   それでも、父の最期の贈り物だ。どうしても、欲しい。   目を瞑り、勢いよく箱を開ける。   ゆっくり、恐る恐る右眼を開くと―――― フミ「あ――――」   中に入っていたのは、銀細工の首飾りと一枚のメッセージカード。   これが父から娘への、最後の誕生日プレゼント。   メッセージカードへ、目を向ける。   書き出しは、親愛なるわが娘へ―――― 『親愛なるわが娘へ  ほんの少し前までは小さかったフミが、ふと気づくともう11歳ですね。  僕はいつも仕事で忙しくて、フミには寂しい思いをさせてしまっている。  本当にすまないと思っているけど、それでも文句の一つも言わないフミは、お父さんにとっての宝物です。  そんなフミとお出かけした時、この首飾りを欲しそうにしていることに僕は気付きました。  驚かせようと思って、誕生日になるまでは秘密にしていたけれど、この首飾りを君に贈ります。  誕生日おめでとう、フミ。  これからも、素敵なフミでいてください。  ――――――――――――お父さんより』 フミ「あ、あ、ああっ……」 フミ「お父、さんっ、おと、お父さん、お父さん……っ」 犬飼:声はかけず、体を支える事もせず。   今は、フミの感情の全てを、フミに任せる。 「――――」   自分はその場に立ち、空を見上げて。   《そこ》に居るであろう人間に、一礼した。                               ――――――scene end ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ シーンプレイヤー/犬飼  登場判定/自動登場 Ending_Scene01  【シーンタロット:トーキー / レッドエリア:居酒屋“天将”】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ RL:接客全てが生身(ウェット)で行われる、というウリを掲げるウェットシティ。 その一角に門を構える居酒屋“天将”は、多少値は張るが飯も酒も旨いと評判の店だ。 犬飼は今回の仕事(ビズ)の報告をするため、竜二の待つここへ訪れていた。 座敷へ通されれば、やはりいるのは藤咲竜二だ。今回は、謎の少女はいないようだが。 竜二「……来たか。まぁ、座ってくれ」 犬飼:「すまない、待たせた。……少しばかり寄り道をな」   ことん、と机の上に箱を置き、藤咲の対面に座った。   無粋な視覚モジュールを外し、脇に置く。 「まずは一杯」   そのまま、盃を持つ。 RL:竜二も無言で盃を持ち、軽く掲げた後に一気に杯を干す。   仕事(ビズ)の報告は、まず祝杯に一杯干してから。いつもの恒例行事だ、 竜二「……とりあえず、お疲れ様と言わせてくれ」 竜二「それから、報告を聞こうか」 犬飼:「殺人鬼――ケニーとか言ったか。  予告通りに襲ってきたので、返り討ちにしてやった。  その上で警察の方に引き渡したが――」   ちらり、と藤咲の目を見て。視線を盃に戻す。 「――彼女の『目の前』で殺しはしたくなかったからな。  ともあれ……仕事(ビズ)は成功だ」 RL:竜二「相変わらず、子供には甘いな」 竜二「まぁ、そんなお前だからこそ依頼したんだが」   友人の大事な一人娘だ。   あまり心の傷は増やしたくないというのが、竜二の偽り無き本心である。 竜二「報酬はいつもの口座に振り込んでおく。助かったよ」   安堵の笑みを浮かべ、懐石料理に舌鼓を打つ。 竜二「そうそう、フミちゃんの引き取り手も見つかったぞ」 竜二「探偵(フェイト)を雇って軽く調べさせたが、問題は無し。あとは本人の心の整理がちゃんとつくか、だが――」   竜二の眼が、犬飼の眼を射る。   犬飼……というよりは、その眼の奥に残る相良フミを見ているのだろう。 竜二「――あの子は強い子だ。どうにかやっていけるだろう」 犬飼:「――ああ。父親からの思いもちゃんと受け取っただろうしな」   引き取り手が見つかった事に、少なからず安堵する。   この街は、一人で生きるには厳しすぎる。 「……藤咲――これを」   入ってきた時に机の上に置いた箱を、滑らせるようにして藤咲側へと移動させる。 「サイバーアイだ。高価な物ではないが……日常生活には十分使えるはずだ」 RL:机の上をスライドする小箱を確認し、苦笑する竜二。 竜二「本当に――お前は、子供に甘い奴だよ」   この災厄の街で、よくもまぁここまで子供に気を使えるものだ。   自分のことで手一杯な者で溢れかえっているというのに……いや、だからこそこの男はカブトなのだろう。   カブトとは、誰かを守るものだ。   それもカブトだから弱者に手を差し伸べられるというよりは、弱者に手を差し伸べられるからカブト、といった具合の。   仁は死に、義は絶え、情も失せたこの街で、この男はそのすべてを見せてくれる。   だから竜二は、この男が好きなのだ。少女の笑顔のために戦える、この男が。 竜二「ああ、これは確かに預かっておこう」 竜二「――また何かあったら頼むぜ、“斬鉄”」   夜が更ける。更けていく。   ここはトーキョーN◎VA。災厄の街。   願わくば、件の少女が災厄に魅入られぬよう。   否、その時は騎士が立つだけだ。騎士は、姫を守るために盾を持つのだから――――                                   ――――――scene end ●余談● ・マスターシーン前、チャットにて ミカゼ:ログに残さないようにこちらで呟くが・・・ ミカゼ:今やってるセッションで悪役側をすごくやってみたくなった ミカゼ:具体的に何がしたいかというと、ヒロインの傷口を舐めたい ミカゼ:PC1枠で・・・それは出来ないッ・・・! ※他にもちょこちょこスゴイタカイウスイホンが厚くなりそうな発言や、 「どんなシーンがいい?」「ベッドシーン!」などとという会話もありましたが、ミカゼPLの尊厳を守るために割愛させて頂きます ・マスターシーンを中心とするフミ苛めに関する声 ※マスターシーンを見て ミカゼ:ひどいやつだなあ 死魚:はー……なにやってんだろ俺…… 死魚:なげぇよ……なんでこんな気合い入れてんだよ俺…… ミカゼ:(女の子をいじめる)才能あるよ(ニコッ ミカゼ:クズさんの後継者は死魚さんやね 死魚:クズさんとかミカゼさんの領域にはとても届きませんよ(謙遜) ※箱を開けたら眼球だった ミカゼ:こ、こいつ・・・エグい! 死魚:(なんでこんな時だけ筆のノリがいいんだろう) ミカゼ:クズ・・・クズ・・・ 死魚:クズさんの生霊が俺に乗り移って……グワーッ! ※ポストアクトにて ミカゼ:死魚さんって結構エグいの好きね 死魚:そ、そんなことは…… ミカゼ:いやー、フミちゃんの過去は結構ヨカッタですよ 死魚:ほんまは明るい話の方が好きやねんてホンマに 死魚:ちょっと興が乗っちゃっただけなんですよ!あ、だめだこれ! ミカゼ:墓穴やで・・・ 死魚:俺はこんな奴じゃなかったはずだ!(必死) ※アクト終了後、チャットにて ××:死魚氏も結構エグいのな 死魚:ちがっ、おまっ、あれはその、ミカゼさんがそういう展開を求めてたから!(責任転嫁) ミカゼ:普通のGMは求められても書けないんだよなあ 草壁:死魚さんが愉悦部に入部したと聞いて 死魚:違うんだ 死魚:ちょっと筆が乗ってしまっただけなんだ ミカゼ:じゃあ次はハートフルなアクトのRLをしてもらわねばな・・・ 不動:愉悦魚さんだ 死魚:違うんだよワトソン君 …………………………xyz!